(3) 大脳新皮質の発達
(3) 大脳新皮質の発達
本文
[直立二足歩行と大脳]
[双眼視と大脳]
[大脳は二の次の機能]
[交尾式生殖と学習]
[熟練の学習(小脳の仕組)]
[危険の学習]
[特異な進化経過を辿る機能]
[革命の因]
[大脳も祈りで授(さず)かる]
・縦形姿勢(直立二足歩行)が、大脳の大型化を可能にした話は、多くの進化論に関する書物に書かれている。
・立体視(双眼視)を行うために、サルの大脳新皮質が大きくなったことは間違いあるまい。なお、他の動物達と比較して、サル達の方が一般的に頭が良いのも、実はこの双眼視によるものなのである。
・専守防衛だが、これも大脳の発達に貢献している。地上棲の動物達にとっても、中枢神経のうち運動中枢を進化させることは、スピード,敏捷さ等を獲得するために有用であった
・地上棲の動物達は、大型化,スピード,敏捷さ,鋭利な武器ばかりを熱心に追求して、大脳新皮質(考える脳)の方は、二の次、三の次にして来ている。それは、地上棲の動物にとっては、大脳新皮質に高いニーズがなかったからに他あるまい。即ち、昔は、大脳新皮質(考える脳)は《適者の資格要件》になるほど重要な器官ではなかったのである
・交尾式生殖の活動の全行程を、遺伝子内に全部プログラミングするのに、一体どれくらいの回数の突然変異が必要か?……そう考えただけでも、とてもそれは出来そうにないことがお分かりいただけよう。ところで、前述したように、大脳新皮質の方は、基本的システムが出来上がっていれば、後は量的増加の突然変異でいくらでもそれを高度なものにして行ける。そこで、爬虫類が交尾式生殖を始めたときに、神様は、交尾活動の殆どの行程を、大脳新皮質の学習で習得させる方式を採用されたのである。現実に、サルなどの場合、若者は、先輩のそれを見習って、次第にそれが巧(うま)くなって行くという。
・蜜蜂は、その腐蛆病に対して防疫的活動をする。蜜蜂の幼虫(蛆)は、六角形の筒の中で育てられている。その幼虫の中に腐蛆病に罹(かか)った幼虫を見付けると、働き蜂がそれを引き出して、巣の外に棄てるという行動を執(と)るのである。ところが、そうした防疫的活動は、全ての蜜蜂が行うわけではない。我国の在来の蜜蜂はそれを行わない。それを行うのは、ヨーロッパの蜜蜂だけだという。即ち、現在、蜜蜂という類の昆虫の中で、腐蛆病の防疫活動という一つの本能的活動が、次第に普及完成しつつある最中(さなか)なのである。
・小脳のプログラムが完璧なものに完成された暁には、大脳新皮質は、最早その活動に関しては、ただ、動作の起動指令を発するだけで、一連の具体的活動は、全て小脳のプログラム任(まか)せで実行されるようになる。熟練の学習というのは 、凡(およ)そそのような仕組みで行なわれている
・交尾式生殖は、魚類や両生類の頃から既に備わっていた本能的な性的欲求をそのまま使用し、それによって、セックスが行いたいという衝動を起こさせ、あとは、大脳新皮質のもの真似的学習と、熟練の学習によって、小脳内にアポステリオリ(後天的)に開発獲得されたソフト・アプリケーションで、実行されているのである
・地上棲の動物達にとっての先決課題は、スピード,敏捷さ,鋭利な武器,大型の体躯で、大脳新皮質は二の次、三の次の機能だったのである。
・サルの場合は違っていた。前述したように、サルは樹上というような特異な条件のところを住処(すみか)にした関系で、スピード,敏捷さ,鋭利な武器,大型の体躯等のオーソドキシーな進化の道が閉ざされ、専守防衛という生き方をせざるを得なくなっていた。だからサル達には、防衛力の強化策としては、ただ一つ、大脳新皮質を発達させて、危険の学習の確度を高めることしかなかったのである
・いずれにせよ、進化における追い付け追い越せ型の革命的進化は、進化の初期段階には効用が低く、後期になって、突如絶大な効用を発揮するというような特異な性質をもった機能(道具)によってもたらされる場合が多いようである。大脳新皮質は、そうしたものの典型であった
・サルは、学習能力の高い(頭の良い)雄(おす)のところに雌(めす)が多数集まって、ハーレム式生殖を行なったに違いあるまい。そうしたハーレムは、雌(めす)の意図によって形成される。その意図は「我が子を、頭の良い子にして下さい」という神様に対する祈り(願い)でもあった。上陸の時の肺と同様、人類の大脳も、神様に祈って授(さず)かったものなのである
進化とは、遺伝子の分野の話だと思っていたら、小脳にオプログラムを完成させ、それを大脳皮質で操作するという手法が、遺伝子の進化以上に重要な進化をもたらさた、というのは、大きな視点である。
加えて、それが、スピード,敏捷さ,鋭利な武器,大型の体躯といった形の進化とは異なるもの、そうした進化に恵まれなかったものの、苦肉の策であったことにも注目したい。
第1章第3節のあらまし
本文
[直立二足歩行と大脳]
[双眼視と大脳]
[大脳は二の次の機能]
[交尾式生殖と学習]
[熟練の学習(小脳の仕組)]
[危険の学習]
[特異な進化経過を辿る機能]
[革命の因]
[大脳も祈りで授(さず)かる]
・縦形姿勢(直立二足歩行)が、大脳の大型化を可能にした話は、多くの進化論に関する書物に書かれている。
・立体視(双眼視)を行うために、サルの大脳新皮質が大きくなったことは間違いあるまい。なお、他の動物達と比較して、サル達の方が一般的に頭が良いのも、実はこの双眼視によるものなのである。
・専守防衛だが、これも大脳の発達に貢献している。地上棲の動物達にとっても、中枢神経のうち運動中枢を進化させることは、スピード,敏捷さ等を獲得するために有用であった
・地上棲の動物達は、大型化,スピード,敏捷さ,鋭利な武器ばかりを熱心に追求して、大脳新皮質(考える脳)の方は、二の次、三の次にして来ている。それは、地上棲の動物にとっては、大脳新皮質に高いニーズがなかったからに他あるまい。即ち、昔は、大脳新皮質(考える脳)は《適者の資格要件》になるほど重要な器官ではなかったのである
・交尾式生殖の活動の全行程を、遺伝子内に全部プログラミングするのに、一体どれくらいの回数の突然変異が必要か?……そう考えただけでも、とてもそれは出来そうにないことがお分かりいただけよう。ところで、前述したように、大脳新皮質の方は、基本的システムが出来上がっていれば、後は量的増加の突然変異でいくらでもそれを高度なものにして行ける。そこで、爬虫類が交尾式生殖を始めたときに、神様は、交尾活動の殆どの行程を、大脳新皮質の学習で習得させる方式を採用されたのである。現実に、サルなどの場合、若者は、先輩のそれを見習って、次第にそれが巧(うま)くなって行くという。
・蜜蜂は、その腐蛆病に対して防疫的活動をする。蜜蜂の幼虫(蛆)は、六角形の筒の中で育てられている。その幼虫の中に腐蛆病に罹(かか)った幼虫を見付けると、働き蜂がそれを引き出して、巣の外に棄てるという行動を執(と)るのである。ところが、そうした防疫的活動は、全ての蜜蜂が行うわけではない。我国の在来の蜜蜂はそれを行わない。それを行うのは、ヨーロッパの蜜蜂だけだという。即ち、現在、蜜蜂という類の昆虫の中で、腐蛆病の防疫活動という一つの本能的活動が、次第に普及完成しつつある最中(さなか)なのである。
・小脳のプログラムが完璧なものに完成された暁には、大脳新皮質は、最早その活動に関しては、ただ、動作の起動指令を発するだけで、一連の具体的活動は、全て小脳のプログラム任(まか)せで実行されるようになる。熟練の学習というのは 、凡(およ)そそのような仕組みで行なわれている
・交尾式生殖は、魚類や両生類の頃から既に備わっていた本能的な性的欲求をそのまま使用し、それによって、セックスが行いたいという衝動を起こさせ、あとは、大脳新皮質のもの真似的学習と、熟練の学習によって、小脳内にアポステリオリ(後天的)に開発獲得されたソフト・アプリケーションで、実行されているのである
・地上棲の動物達にとっての先決課題は、スピード,敏捷さ,鋭利な武器,大型の体躯で、大脳新皮質は二の次、三の次の機能だったのである。
・サルの場合は違っていた。前述したように、サルは樹上というような特異な条件のところを住処(すみか)にした関系で、スピード,敏捷さ,鋭利な武器,大型の体躯等のオーソドキシーな進化の道が閉ざされ、専守防衛という生き方をせざるを得なくなっていた。だからサル達には、防衛力の強化策としては、ただ一つ、大脳新皮質を発達させて、危険の学習の確度を高めることしかなかったのである
・いずれにせよ、進化における追い付け追い越せ型の革命的進化は、進化の初期段階には効用が低く、後期になって、突如絶大な効用を発揮するというような特異な性質をもった機能(道具)によってもたらされる場合が多いようである。大脳新皮質は、そうしたものの典型であった
・サルは、学習能力の高い(頭の良い)雄(おす)のところに雌(めす)が多数集まって、ハーレム式生殖を行なったに違いあるまい。そうしたハーレムは、雌(めす)の意図によって形成される。その意図は「我が子を、頭の良い子にして下さい」という神様に対する祈り(願い)でもあった。上陸の時の肺と同様、人類の大脳も、神様に祈って授(さず)かったものなのである
進化とは、遺伝子の分野の話だと思っていたら、小脳にオプログラムを完成させ、それを大脳皮質で操作するという手法が、遺伝子の進化以上に重要な進化をもたらさた、というのは、大きな視点である。
加えて、それが、スピード,敏捷さ,鋭利な武器,大型の体躯といった形の進化とは異なるもの、そうした進化に恵まれなかったものの、苦肉の策であったことにも注目したい。
第1章第3節のあらまし
