(2) 樹上時代の特異な進化
(2) 樹上時代の特異な進化
本文
[樹上退避]
[無防備な体躯と専守防衛]
[視覚第1と双眼視]
[縦形姿勢]
[直立二足歩行]
・地上性の哺乳類は、それぞれ、スピード,敏捷さ,大型の体躯,鋭利な武器(爪,牙,角)等の機能を改良するという、淘汰論的にオーソドキシーな方向への進化を遂げて行った。それに対して、樹上というような悪条件の場所を住処(すみか)にしたため、サル達は、そうしたオーソドキシーな進化を追求して行くことができなかった。
・木の枝の体重支持力から、大型化は無理である。スピードや敏捷さも、狭い樹上では限界があるし、あまり効果もない。武器も敏捷さ等と連帯して初めて威力を発揮するものである。サルは結局、生兵法は怪我の基(もと)ということで、そうしたオーソドキシーな進化を一切放棄して、専守防衛に徹する道を採(と)った。
・人間は、サルの中でも、特別進化の遅れた部類に属するという。
・地上棲の動物達の感覚器は、鼻が1番で2番目が耳。目は地上棲の動物は殆どが色盲だし、酷(ひど)い近眼の者が多い。
・樹上では、嗅覚,聴覚には頼れない。そういうことで、サル達は、樹上に逃げ上がって間もなく、鳥と同様、視覚第1の動物になった。視覚を頼りにして生きて行くとなると、まず、色が見える必要がある。薄暗い密林では、白黒ではものの細かい判別が付かない。だから、サルは色が見えるようになった。また、枝の入り組んだ樹上で自由自在に活動するためには、空間が立体的に見えている必要がある。そこでサルは眼が顔の前面に二つ並んで、双眼視(立体視)が出来るようになった。
・視線をあらゆる方向に注ぐには、四足水平姿勢より縦形姿勢の方が有利である。縦形姿勢を取っていれば、首を巡(めぐ)らし胴まで捻(ひね)って、前後左右に顔を向け、更に屈(かが)んで下を覗いたり、反(そ)り反って上を向いたりして上下までもが監視出来る。
・人間の直立二足歩行は、樹上時代の縦形姿勢を踏襲したものである。
ここには冒頭に、
「大流星の落下後、哺乳類よりも、鳥類の方が早めに適応放散して行った」
とある。鳥類が恐竜の末裔と考えるなら、大流星の落下が恐竜を絶滅させるために故意に行われたという安達先生の考えに疑問がわく。
恐竜が環境に合わせ鳥類として生き延び、人類の祖先も樹木の上で進化する、それぞれが、それぞれに進化を重ねたのである。
やはり、そこにあるのは「試行錯誤」ではないだろうか。それも、人間だけが進化の中心ではなく、それぞれの種族が、それぞれに進化を重ねた、という事実が、僕には大切なように思える。
第1章第3節のあらまし
本文
[樹上退避]
[無防備な体躯と専守防衛]
[視覚第1と双眼視]
[縦形姿勢]
[直立二足歩行]
・地上性の哺乳類は、それぞれ、スピード,敏捷さ,大型の体躯,鋭利な武器(爪,牙,角)等の機能を改良するという、淘汰論的にオーソドキシーな方向への進化を遂げて行った。それに対して、樹上というような悪条件の場所を住処(すみか)にしたため、サル達は、そうしたオーソドキシーな進化を追求して行くことができなかった。
・木の枝の体重支持力から、大型化は無理である。スピードや敏捷さも、狭い樹上では限界があるし、あまり効果もない。武器も敏捷さ等と連帯して初めて威力を発揮するものである。サルは結局、生兵法は怪我の基(もと)ということで、そうしたオーソドキシーな進化を一切放棄して、専守防衛に徹する道を採(と)った。
・人間は、サルの中でも、特別進化の遅れた部類に属するという。
・地上棲の動物達の感覚器は、鼻が1番で2番目が耳。目は地上棲の動物は殆どが色盲だし、酷(ひど)い近眼の者が多い。
・樹上では、嗅覚,聴覚には頼れない。そういうことで、サル達は、樹上に逃げ上がって間もなく、鳥と同様、視覚第1の動物になった。視覚を頼りにして生きて行くとなると、まず、色が見える必要がある。薄暗い密林では、白黒ではものの細かい判別が付かない。だから、サルは色が見えるようになった。また、枝の入り組んだ樹上で自由自在に活動するためには、空間が立体的に見えている必要がある。そこでサルは眼が顔の前面に二つ並んで、双眼視(立体視)が出来るようになった。
・視線をあらゆる方向に注ぐには、四足水平姿勢より縦形姿勢の方が有利である。縦形姿勢を取っていれば、首を巡(めぐ)らし胴まで捻(ひね)って、前後左右に顔を向け、更に屈(かが)んで下を覗いたり、反(そ)り反って上を向いたりして上下までもが監視出来る。
・人間の直立二足歩行は、樹上時代の縦形姿勢を踏襲したものである。
ここには冒頭に、
「大流星の落下後、哺乳類よりも、鳥類の方が早めに適応放散して行った」
とある。鳥類が恐竜の末裔と考えるなら、大流星の落下が恐竜を絶滅させるために故意に行われたという安達先生の考えに疑問がわく。
恐竜が環境に合わせ鳥類として生き延び、人類の祖先も樹木の上で進化する、それぞれが、それぞれに進化を重ねたのである。
やはり、そこにあるのは「試行錯誤」ではないだろうか。それも、人間だけが進化の中心ではなく、それぞれの種族が、それぞれに進化を重ねた、という事実が、僕には大切なように思える。
第1章第3節のあらまし
