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「続スピリチュアリズム入門」への感想12

 これまで僕は、やや痛烈すぎるくらいにスピリチュアリズムを批判してきた。それは批判が目的ではない。どこかに救いを求めてのことである。今回の章も、そんな気持ちで読み進めたい。
 まず第1、
「神は宇宙を“法則”によって支配している」。
 それには僕も同感だ。ただ、すぐ次、
「親なる神は子供の成長を願い――それが反映して、人間は永遠に進化する存在として造られている。その魂の進化を支配する最大の法則が因果律である」
 の部分になると、早くも怪しくなって来る。僕には「魂の進化」なるものが理解できないからだ。「進化」に、わざわざ「魂の」などという言葉を付けなくても、この世界が常に進化して来た事は、一目瞭然だ。そこに「魂の」という言葉を添えて、永遠に進化する存在が「人間だけ」などと言うと、どうも、この言葉自体が、この世界に神がいきなり造ったのが人間である、と言ったような、神話をベースにした眉唾話に思えてしまう。
 となると、ここに出てくる、
“因果律”(原因と結果の法則)
 とは何だろう。
 結果が出てくるためには原因というものが、必ずある。と考えると、そんなことは、わざわざ「法則」とまで呼ぶ必要はない。ここで重要なのは、この法則が「魂の成長」に属するものであり、よって、それは人の一生というスケールを超えて展開するので、それを理解することによって、何らかの発見が得られるから、とでも表現すべきだろうか。だからこそ、
「再生地上人生では、因果の法則によって、前世での罪の償いをするような道が自動的に展開していく」
「地上での行為の結果が生じるのは地上だけとは限らない。地上で為した悪事の結果は、地上生活中にいろいろな苦しみという形で返ってくることもある。が、霊界に行ってから生前の悪事を見せつけられ、逃れることもできない中で、激しい良心呵責・心の痛み・後悔を持つという形で返ってくることが多いのである」
 などといった表現が出てくるのだろう。
 だが、そうなると、どうして人間は、わざわざ地上生活を送るのだろう。ここには、
「われわれは地上で生活するかぎり、何らかの過ちを必ず犯すものである」
 とあるが、そうであるなら、わざわざ生まれてくる必要はない。ここには、
「霊界に入ると、地上生活で自分がどんな間違いをしてきたのか、はっきりと分かるようになる。また、さらなる魂の成長にとって何が足枷となっているか、明確に知るようになる」
 ともあるが、それだけ霊と言う存在が「魂の成長」という概念に詳しいのであれば、霊界にいながら、魂を成長させればいいのではないか。何故、わざわざ罪を重ねるために、霊と言うものは地上に生まれ続けているのだろう。原因を作らなければ、結果も出ないのである。
 すると、ここで“因果律”(原因と結果の法則)などより、もっと重要な原則が示されていることにならないか。それは、
霊と言うものは、地上生活を通じてしか成長できない
 という原則である。これが実際には、どのような意味を持つのかは分からないが、霊というものが、安住の地である霊界を離れ、わざわざ地上に生まれてくる理由は、これ以外に考えられない。霊界では成長ができないからこそ、宇宙意志は宇宙の創世と共に、生命の存在できる惑星を試行錯誤の後に作り、そこで造った生命を長い時間をかけて進化させて来たのである。
 しかし、それでは逆に、何故、霊と言うものは、地上生活を通じてしか成長できないのだろう。霊が目指しているのが、例えば、利他愛といった道徳的な行為だとしよう。ならば、霊界にいて、その概念が明確に理解できる時の方が、利他愛の理解は進むのではないか。わざわざ罪を重ねに地上に生まれる必要などない。霊が目指す成長というものが、それとは異なるからこそ、地上での生活が必要となる。
 それでは、霊と言うものが、霊界ではできない、地上生活を通じてしか成長できないものとは何だろう。となると、1つは、文字通りの進化だろう。霊界ではない、この世界の生命を進化させようと思ったら、霊界で願っているだけでは何もできない。この世界に、1つの動物として生まれ、子孫を残して死んでいって、初めて命が受け継がれ、その過程で進化が成されることもあるだろう。
 そして、もう1つは、生命として生まれて、この世界の時間軸に何かを刻む、という体験である。この現世が舞台として、生命というのが、この現世の登場人物とするなら、霊と言う存在は、この現世舞台の単なる黒子に過ぎない。この舞台に登場人物として出演するためには、この世界に生命として生まれなければならない。だからこそ、霊は、この世界に関与をしてくるのではないか。
 いずれにしろ、この段階で、もう1つ、述べておくならば、この章の冒頭に、
「神は宇宙を“法則”によって支配している。そのため霊界・宇宙には、数限りない法則が存在する。物理法則、運動法則、天体の運行の法則、自然法則、肉体に係わる法則、霊と肉体の関係の法則など、無数の法則の支配のもとで被造世界は存在している」
 と書かれているが、残念ながら、そこには「善悪」に係わる法則など1つもない、と言うことである。まずは、その認識を持つところから、再度、この章を考えたい。

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