(2) 生物の進化システム(1)……遺伝と変異
(2) 生物の進化システム(1)……遺伝と変異
本文
[エントロピー原理]
[エントロピー原理の逆行=進化]
[進化のための装置]
[進化システムの弁証法(対立物浸透の法則)]
[否定の否定の法則]
・神様は、エントロピー増大の法則が支配しているこの宇宙の特定の場所に、種々のメカニックな装置をお作りになった。恒星は、正に元素製造装置であった。惑星もまた、化合物の製造装置であった。そして神様は、この地球上には、更に、生命を誕生させ、それを進化させて行くためのまことに見事な《装置=システム》をお作りになったのである。
・学術界では、DNA(デ・オキシ・リボ核酸)の出現をもって、生命の誕生とする。DNAは情報の表象機能であって、それ自体には進化して行く性能など備わってはいない。
・DNAは自己複製を行う。その自己複製は、生体の発生・成長に当って行われる細胞分裂のときと、生殖細胞を製造する際の細胞分裂のときの、2種類の分裂の際に行なわれている。そして、後者の生殖細胞を作る際のDNAの自己複製が《遺伝》である。
・DNAの自己複製は極めて精度が高い。だが、偶(たま)にミスも起る。それが《突然変異》である。突然変異は、宇宙線その他の放射線によるものが殆どだと言われている。突然変異の現れる確立は、人間の場合では、分裂を10万回行って1回くらいだという。
・DNAが自己複製を繰り返している。そこに偶(たま)に突然変異が起る。変異したものと元のままのものとの間に《自然選択》の機能が働いて、より優れた生体を製造する技術情報が残り、他が淘汰される。そして、残った優れた技術情報を保持するDNAが、将来に向けて自己複製を続けて行く。それが生物の進化の基本システム(装置)である。
・矛盾対立した機能の場合、形式論理によれば、遺伝が進化にとってポジティブな機能なら、突然変異は進化にとってネガティブな機能ということになり、逆に、突然変異が進化にとってポジティブな機能なら、遺伝は進化にとってネガティブな機能ということになる。だが、ヘーゲルが「矛盾はあらゆる運動及び生命性の根源である。矛盾があるが故に衝動が起こり、活動が始まる」と言っているように、この宇宙では、そうした対立矛盾した二つの機能が《場》を共にして働き合う状態になると《対立物の浸透の法則》が働いて、どちらもが合目的な機能になって、そこに、《進化》という価値増加的現象が起り始めるのである。
・遺伝というのは同じ物ばかりを作り続ける機能なのである。だから、若しこの世に突然変異がなく遺伝だけだったら、35億年前に誕生した極く下等なコアセルヴェートのような生物が、今もそのまま生き続けており、生物の進化というような壮大なドラマは、この地球上には起らずじまいだったに違いない。即ち、遺伝はむしろ進化にとっては否定的な機能なのである。
・エンゲルスは『自然弁証法』という遺稿集の中で、ヘーゲルの弁証法には、三っつの要素機能があることを指摘している。《対立物の浸透の法則》《否定の否定の法則》《量から質への転換の法則》の三っつである。遺伝と変異による生物の進化システムは、前段で説明したように、その三っつの法則の中の《対立物の浸透の法則》にピッタリと適合している。
僕には果たしてヘーゲルが言ったことが正しいのか、エンゲルスが言ったことが正しいのか、その判断はできない。しかし、《遺伝》と《突然変異》が生命の進化の重要な要素である、ということには異論はない。《遺伝》とは継続であり、《突然変異》とは変化である。ここでもう1つ、僕は、生命の根源において、継続と変化という2つの要素があったことにも注目したい。
第1章第2節あらまし
本文
[エントロピー原理]
[エントロピー原理の逆行=進化]
[進化のための装置]
[進化システムの弁証法(対立物浸透の法則)]
[否定の否定の法則]
・神様は、エントロピー増大の法則が支配しているこの宇宙の特定の場所に、種々のメカニックな装置をお作りになった。恒星は、正に元素製造装置であった。惑星もまた、化合物の製造装置であった。そして神様は、この地球上には、更に、生命を誕生させ、それを進化させて行くためのまことに見事な《装置=システム》をお作りになったのである。
・学術界では、DNA(デ・オキシ・リボ核酸)の出現をもって、生命の誕生とする。DNAは情報の表象機能であって、それ自体には進化して行く性能など備わってはいない。
・DNAは自己複製を行う。その自己複製は、生体の発生・成長に当って行われる細胞分裂のときと、生殖細胞を製造する際の細胞分裂のときの、2種類の分裂の際に行なわれている。そして、後者の生殖細胞を作る際のDNAの自己複製が《遺伝》である。
・DNAの自己複製は極めて精度が高い。だが、偶(たま)にミスも起る。それが《突然変異》である。突然変異は、宇宙線その他の放射線によるものが殆どだと言われている。突然変異の現れる確立は、人間の場合では、分裂を10万回行って1回くらいだという。
・DNAが自己複製を繰り返している。そこに偶(たま)に突然変異が起る。変異したものと元のままのものとの間に《自然選択》の機能が働いて、より優れた生体を製造する技術情報が残り、他が淘汰される。そして、残った優れた技術情報を保持するDNAが、将来に向けて自己複製を続けて行く。それが生物の進化の基本システム(装置)である。
・矛盾対立した機能の場合、形式論理によれば、遺伝が進化にとってポジティブな機能なら、突然変異は進化にとってネガティブな機能ということになり、逆に、突然変異が進化にとってポジティブな機能なら、遺伝は進化にとってネガティブな機能ということになる。だが、ヘーゲルが「矛盾はあらゆる運動及び生命性の根源である。矛盾があるが故に衝動が起こり、活動が始まる」と言っているように、この宇宙では、そうした対立矛盾した二つの機能が《場》を共にして働き合う状態になると《対立物の浸透の法則》が働いて、どちらもが合目的な機能になって、そこに、《進化》という価値増加的現象が起り始めるのである。
・遺伝というのは同じ物ばかりを作り続ける機能なのである。だから、若しこの世に突然変異がなく遺伝だけだったら、35億年前に誕生した極く下等なコアセルヴェートのような生物が、今もそのまま生き続けており、生物の進化というような壮大なドラマは、この地球上には起らずじまいだったに違いない。即ち、遺伝はむしろ進化にとっては否定的な機能なのである。
・エンゲルスは『自然弁証法』という遺稿集の中で、ヘーゲルの弁証法には、三っつの要素機能があることを指摘している。《対立物の浸透の法則》《否定の否定の法則》《量から質への転換の法則》の三っつである。遺伝と変異による生物の進化システムは、前段で説明したように、その三っつの法則の中の《対立物の浸透の法則》にピッタリと適合している。
僕には果たしてヘーゲルが言ったことが正しいのか、エンゲルスが言ったことが正しいのか、その判断はできない。しかし、《遺伝》と《突然変異》が生命の進化の重要な要素である、ということには異論はない。《遺伝》とは継続であり、《突然変異》とは変化である。ここでもう1つ、僕は、生命の根源において、継続と変化という2つの要素があったことにも注目したい。
第1章第2節あらまし
